一条工務店・断熱王の玄関土間、雨で水が浮いた砂利の上にコンクリート打設。確認した回答と1年半後の現状
建築中のわが家で、玄関土間の砂利が雨で水浸しになったまま、その上にコンクリートが打設される、ということがありました。
最初に書いておくと、引き渡しから約1年半経った現在、不具合は起きていません。この記事は「一条工務店を批判したい」記事ではなく、建築中に気になったことをどう確認し、どんな回答をもらい、その後どうなったか、という一施主の記録です。
この記事でわかること
- 玄関土間の砂利が雨で濡れたままコンクリート打設された経緯(LINEの記録ベース)
- 会社側から受けた回答と、現地立会いでの説明の内容
- 引き渡しから約1年半後の現状(温湿度計の観測を含む)
- これから建てる人が建築中にできる5つのこと
前提:わが家の玄関土間は「断熱王」の断熱玄関土間
一条工務店には「断熱王」という高断熱仕様があります。2023年に発表されたもので、柱は2つ。オリジナルの高断熱玄関ドア「DANNJU(ダンジュ)」と、玄関土間コンクリートの下にも断熱材を入れる「断熱玄関土間」です。従来の仕様では、断熱材は基礎の立ち上がり部分のみで、土間の下(底面)にはありませんでした。
わが家の玄関ドアはDANNJUで、建築中に見た玄関土間は、底面まで断熱材で囲われたU字の構造でした。契約書類にも「断熱等性能等級・等級7仕様へのグレードアップ」という項目があり、わが家の場合は設立45周年記念キャンペーンとして無料で適用されました。書類上の名称は「等級7仕様」ですが、内容としてはこの断熱王(DANNJU+断熱玄関土間)に当たります。
構造はこうです。基礎の内側を断熱材でU字に囲い、その中に砂利を入れ、上から土間コンクリートでフタをする(ヒーロー画像の断面イメージ参照。寸法は正確ではありません)。
つまり、フタをした時点で砂利が含んでいた水分は、断熱材とコンクリートに囲まれた空間に閉じ込められることになります。私が気になったのはこの点でした。断熱王の発表は2023年なので、この構造は当時まだ比較的新しい仕様だったことになります。
完成後の玄関土間がどうなっているかは、玄関土間収納の記事で書いています。
時系列で何が起きたか
日付は特定を避けるため、おおまかな表現にしています。以下の質問と回答は、口頭ではなくLINE上の文字で残っているものです。
雨ざらしの砂利を発見
2024年10月上旬。上棟前の現場を見に行くと、玄関部分に砂利が入れられていました。養生シートなどの保護はなく、雨ざらしの状態です。
「雨によって水分を含みそうですが、大丈夫なのでしょうか?」とLINEで質問しました(当時の私は砂利を「土」と書いていましたが、正確には砂利です)。
「強度的に問題ない」という最初の回答
2日後、「工事部門に確認したところ、強度的に問題ない」との回答をもらいました。
ただ、私が心配していたのは強度ではありませんでした。水分をたっぷり含んだ砂利がコンクリートでフタをされ密閉されると、カビなどの悪影響が起きないか、という点です。そのように伝え直したところ、「玄関仕上げ工事をするまでに、乾燥し悪影響がないか含めて改めて確認報告する」との返事をもらいました。
確認の返事を待つ間に、コンクリートが打設された
その翌日に現場へ行くと、玄関にはすでにコンクリートが流し込まれていました。
隣の区画には水たまりが残っていたので、玄関の砂利もかなりの水分を含んだ状態で打設されたと考えられます。実際、打設前の砂利は、表面に水が浮くほど濡れていました。
このときは、密閉された空間の湿度が高い状態が続くことで、コンクリート内の鉄筋が錆びて膨張し、基礎を傷めないかが心配になり、その旨をLINEで送りました。
会社側からの技術的な回答
約1週間後、現場監督に確認したという回答がLINEで届きました。要点は2つです。
- 鉄筋の錆について:鉄筋はアルカリ性のコンクリートで覆うことで錆を防ぐ。錆びなければ膨張せず、破損も起こらない
- カビ・白蟻について:土間断熱に使う断熱材には防腐防蟻の塗布処理がされており、カビや白蟻の巣にならないよう対処している
鉄筋がアルカリ性環境で錆びにくくなるのは、鉄筋コンクリートの一般的な性質として知られている内容で、回答としては筋が通っていると感じました。
それでも気になった3つの観察
回答をもらった翌朝、現場で3つのことに気づきました。
- 断熱材の表面が、びちゃびちゃに濡れている
- 土間に接している玄関階段部のコンクリートの色が、周囲と違って見える
- 土間コンクリートの高さ(レベル)が、場所によってばらついている
水分が断熱材を伝って動いているのではないか、と思える状態でした。そこで「現場レベルの判断ではなく、技術部門としても同じ見解か」「今回のような土間断熱は一般的な施工か」をLINEで質問しました。
現地立会いでの説明
質問を送った当日の午後、「現地で現場監督立会いのもと説明したい」と連絡があり、その日のうちに現場で説明を受けました。ここは口頭でのやり取りなので、書面回答とは区別して書きます。説明の要点は2つでした。
- 同じ方法で施工してきた土間断熱で、これまで問題は発生していない
- 断熱材から水分が抜けて、1か月程度で乾く
私はこの説明で「承知しました」と返しています。なお、口頭説明は言った言わないになりやすいので、説明された内容を自分で要約し、当日中にLINEで送り返しておきました。この要約に対して訂正はありませんでした。
備忘録として残した2つの意見
同じLINEで、納得しきれなかった点も備忘録として送っています。これは会社の見解ではなく、当時の私の意見です。
- 現場監督から「土間以外の基礎部は、乾いたことを確認してから上の部分を施工している」と聞いたのに、土間だけは濡れたままコンクリートでフタをしている。施工の考え方が一貫していないように感じた
- 現場監督から「昔は土間部にも水抜き穴があったが、現在はない」と聞いた。それなら「これまで問題が発生していない」という実績が、水抜き穴のない現在の仕様にそのまま当てはまるのか、疑問が残った
この2点から、砂利を入れてからコンクリートでフタをするまでの間は、雨に濡れないよう養生する必要があったのではないか、というのが当時の私の結論でした。
1年半後の今、問題は起きているか
引き渡しから約1年半(この記事の時点で約1年5か月)。玄関まわりに不具合は起きていません。カビ臭さ、玄関タイルの浮きや割れ、床鳴りといった異変はどれもありません。
わが家は玄関土間に温湿度計を置いていますが、湿度が特段高いということもありません。家中の温湿度をSwitchBotの温湿度計10台で常時記録しているので、異変があれば数字に出るはずですが、今のところその兆候はないです。
ただし、これはあくまで「土間の表面側」の話です。コンクリートの内側、密閉された砂利がどうなっているかは、確認のしようがありません。「1か月程度で乾く」という説明どおりに乾いたのかも、確かめる方法がないままです。不具合が出ていない以上、結果として問題なかった可能性が高いと考えていますが、これは推測です。
これから建てる人へ:建築中にできる5つのこと
今回の経験から、建築中の施主ができることを5つにまとめます。すべて実際に私がやったことです。
- 雨の日・雨の翌日に現場を見に行く。晴れの日だけ見ていると、養生の有無や水はけの問題には気づけません
- 気になったことは口頭でなく文字で質問する。LINEやメールなら、質問も回答も記録として残ります
- 写真を日付とともに残す。後から状況を説明するときの根拠になります
- 口頭で受けた説明は、自分で要約して文字で送り返す。相手から訂正がなければ、それが事実上の記録になります
- 納得しきれない点は、意見として書き残しておく。その場で解決しなくても、後から経緯を振り返る材料になります
FAQ
Q. 断熱王の「断熱玄関土間」とは何ですか?
一条工務店が2023年に発表した高断熱仕様「断熱王」の要素のひとつで、玄関土間コンクリートの下にも断熱材を入れる施工です。従来の仕様では断熱材は基礎の立ち上がり部分のみでした。玄関の寒さ対策として土間全体を断熱材で囲います。わが家が現地立会いで受けた説明では、同じ方法での施工で問題は発生していないとのことでした。
Q. 濡れた砂利の上にコンクリートを打っても大丈夫なのですか?
私は建築の専門家ではないので、断定はできません。わが家が受けた回答は「強度的に問題ない」「鉄筋の錆はアルカリ性のコンクリートで防ぐ」「断熱材は防腐防蟻処理済み」というものでした。1年半経った現在、不具合は出ていません。ただし、密閉された内部の状態を直接確認したわけではありません。
Q. 同じような状況を見つけたら、どうすればいいですか?
まず写真を撮り、文字で質問することをおすすめします。詳しくは本文の「建築中にできる5つのこと」にまとめています。
まとめ
- 建築中、玄関土間の砂利が雨で水浸しのまま、コンクリートで密閉された
- 会社側の回答:強度は問題ない/鉄筋はアルカリ性のコンクリートで錆を防ぐ/断熱材は防腐防蟻処理済み
- 現地立会いでの説明:同じ工法で問題の発生実績はない/水分は1か月程度で乾く(口頭・訂正なしの要約記録あり)
- 当時の私の意見:フタをするまでは養生すべきだったのではないか
- 1年半後の現状:不具合なし。玄関の温湿度計にも異常な値はない。ただし内部の状態は確認できない
建築中の「あれ?」と思う瞬間は、確認すれば多くの場合きちんと回答が返ってきます。同じく建築中の記録から書いた気密測定の記事や図面反映漏れの記事も、確認の進め方の参考になると思います。