一条工務店の家で使わなくなった家電3つ|さらぽか+高断熱で温度も湿度も“家まかせ”に


入居から1年あまりが経ちました。

家づくりのブログでは「買ってよかったもの」がよく語られます。でもその裏で、前の家から持ち込んだのに、新居ではほとんど出番がなくなった家電もあります。

先に書いておくと、これは後悔ではありません。むしろ逆で、「家そのものの性能が、家電の仕事を肩代わりしてくれた」結果です。我が家はグランドスマート+さらぽか(全館空調)。一条は商品ラインによって標準仕様が変わるので、その前提で読んでください。

今回は、温度や湿度をコントロールするための家電——エアコン・衣類乾燥除湿機・加湿器の3つが、どう出番を失ったかを正直に書きます。これから建てる人が「新居でも本当に要るのか」を考える材料になればと思います。

① 前の家から持ち込んだエアコン

前の家のLDKで使っていたエアコンを、新居のLDKにもそのまま取り付けました。型式は三菱の霧ヶ峰 MSZ-ZD5622S-W、おもに18畳用(5.6kW)の大きめの機種です。2023年の初めに使い始めたばかりで、まだ新しく、もったいなかったからです。

結論から言うと、ほとんど動かしていません。動かすのは、せいぜい季節の変わり目——床暖房も床冷房(さらぽか)も入れていない、中途半端な時期だけです。

我が家のエアコンはこのLDKの1台だけで、ほかの部屋にはありません。それでも冬に「寒くてエアコンが要る」と感じたことは一度もありませんでした。家全体の温度がどれくらい安定しているかはさらぽかを1年実測した記事にまとめています。夏は、日によって少し暑さを感じることもあります。ただ、エアコンをつけると、風をいちばん弱くしても寒がりの妻にはすぐ寒く感じるようで、「すぐ切って」と言われてしまいます。結局、暑いと感じてもサーキュレーターで空気を回せばたいてい収まるので、夏もエアコンの出番はほとんどありません。

正直に言えば、前の家の広いLDK向けに選んだ機種なので、今のさらぽかの家ではオーバースペックです。本体も大きく、壁の上で存在感があって少し圧迫感もあります。「もったいないから」で持ち込みましたが、結果的にはほぼ“付いているだけ”。全館空調を入れる予定の人は、前の家のエアコンを持ち込む前に「本当に出番があるか」を一度考えてみてもいいかもしれません。

② 衣類乾燥除湿機

前の家には服を乾かす専用の部屋があり、そこで衣類乾燥除湿機を使っていました。型式はシャープ CV-PH140、ハイブリッド式(コンプレッサー+デシカント)の機種で、2023年4月に買ったばかり。今の家でも、そのまま使っています。

ただし、使い方が変わりました。最初は除湿モードで回していたのですが、あるときタンクに溜まる水が満水(3.6L)の半分くらいしかないことに気づきました。「そんなに湿気を取っていないなら、除湿しなくても乾くのでは?」と思って、思い切って送風だけにしてみたら——朝までにはちゃんと乾いていました。それ以来、除湿は止めて、風を当てるだけで使っています。

我が家の乾燥スペースは脱衣所をランドリー化した場所で、お風呂場の換気扇を回し、扉を少し開けておくだけ。それで送風だけでも乾きます。家の環境(安定した室温と、湿気がこもりにくい感じ)が効いているのだと考えていますが、これは我が家での実感で、住む地域や間取り・洗濯量によって変わるはずです。

送風だけにしているのには、電気代の理由もあります。CV-PH140はカタログ値で、除湿運転が約275〜295W、衣類乾燥運転が約660〜695W。一方、送風だけならファンが回るだけなので、消費電力はぐっと小さく済みます。乾くのであれば、わざわざ電気を多く使う除湿を動かす理由がありません。

つまり、除湿機そのものは現役ですが、本来の「除湿機能」はほぼ使っていない、というのが正直なところです。

③ 加湿器

前の家では、冬になると湿度がかなり下がっていたので、加湿器が手放せませんでした。型式はシャープ HV-B70(加熱気化式)。新居にも持ち込みましたが、今は使っていません。

理由はシンプルで、前の家ほど湿度が下がらなくなったからです。冬でも「乾燥してつらい」と感じる場面が大きく減り、加湿器を出す必要がなくなりました。

これは実測でもはっきり出ています。室温を比べた第8記事と同じ期間・同じセンサーで、今度は湿度に注目したのがこちらです。

旧居と一条の主寝室の温湿度を比較したグラフ(同じセンサー)

  • 旧居(2025年1月下旬〜2月中旬):室温 約13.7℃。相対湿度は平均58%(最低32%)
  • 一条(2025年2月下旬〜3月):室温 約22.4℃と暖かく、相対湿度は平均46%(最低35%)

相対湿度の平均だけ見ると、じつは一条のほうが低めです。これは一条がずっと暖かいからで、相対湿度は気温が上がると下がります。注目したいのは絶対湿度(空気中の実際の水分量)で、こちらは一条のほうが多い(6.9→9.1 g/m³)。

つまり「暖かいのに、空気中の水分量はむしろ多い」。体感の乾燥は気温と絶対湿度にも左右されるので、寒くて水分も少なかった旧居の“冬のカラカラ”が、暖かくて水分も多い一条では起きにくい——これが、加湿器を出さなくなった理由だと考えています。室温そのものの詳しい比較はさらぽかを1年実測した記事にまとめています。

仕組みは、正確に書いておきます。さらぽかのデシカントは「除湿・調湿」が主で、加湿器のように積極的に水分を出す機能ではありません(家全体を積極的に加湿するのは、さらぽかとは別の「うるケア」というシステムです)。冬に下がりにくいのは、高気密・高断熱で乾いた外気が入りにくいことと、熱交換換気が排気から湿気を回収する“湿度交換”で室内の水分を逃しにくいこと——その合わせ技だと考えられます(メカニズムには推測を含みます)。

なお、これはあくまで我が家の主寝室の実測です。さらぽかでも冬に乾燥を感じて加湿器を併用している人はいるので、「さらぽかなら誰でも加湿器が不要」とまでは言えません。

それでも、人によっては要るかもしれない

ここまで「使わなくなった」と書いてきましたが、一方的に不要だと言い切るつもりはありません。同じ一条・同じさらぽかでも、暮らし方や環境で答えは変わります。

  • 来客時など、特定の部屋を素早く・強力に冷暖房したい人 → エアコンはやはり頼りになる
  • 梅雨や花粉の時期に大量の部屋干しをする家庭 → 除湿機能が活きる場面はある
  • もともと乾燥に弱い体質の人や、のど・肌が気になる人 → 加湿器は引き続き役立つ

我が家ではたまたま「家の性能が肩代わりしてくれた」だけ、とも言えます。

まとめ:入居前にまとめ買いしない

これから一条で建てる人へ。前の家からの持ち込みや、新居用の買い足しは、入居前に全部そろえるより、住んでから数か月、家の性能を体感してから判断するのがおすすめです。

我が家で出番を失ったのは、温度・湿度まわりの3つでした。

  • 持ち込んだエアコン(さらぽかの床暖・床冷房でほぼ不要、しかも大きくて圧迫感)
  • 衣類乾燥除湿機(除湿は止めて、送風だけで乾く)
  • 加湿器(前の家ほど湿度が下がらず、出番なし)

温度はさらぽかの床暖・床冷房が、湿度は高断熱と熱交換換気(湿度交換)が下がりにくくしてくれる——というのが、1年あまり住んでの実感です。特に全館空調を入れる予定の人は、温度・湿度まわりの家電を最初から全部そろえず、足りないものだけ後から足す。そのほうが、無駄なく自分の家に合った道具に落ち着くと思います。